2013年2月5日火曜日

ボンサファ②




ボンベイサファイアはたぶん1500円以下で入手できる。

綺麗なブルーの瓶に釣られて買ってしまった人もいるんじゃないかな。
ただ、その瓶の美しさに見合うような、味、香りがある。
「サファイア」の名に恥じないような、複雑な香り、そして清涼感。

コスパがいいとか値段の割に美味しいというのではない。
値段を抜きにしても、完成され完結している。


瓶のデザイン。BOMBAY SAPPHIREという名前。
このラグジュアリーな感じが1000円台で手に入るのは素晴らしい。
こんな酒を、下寄りの中流階級の若造が飲んでいいものかとすら思う。



しかし、これが数あるジンの頂点だとは思わない。
独特な存在はジンのスタンダードな味わいとは遠く離れているからだ。

ジンの特徴であるねずの実(ジュニパーベリー)の香りはすこし抑えめで、その分他のボタニカルの香りが活きている。
ただ、他の何かが飛びぬけて感じられるのではなく、複雑な要素がピンポイントの絶妙なバランスで中和されている様に感じる。語弊があるかもしれないが、ジンの中で一番水にちかいジンだと思う。

「日本酒は最終的には水になる」
という言葉を聞いたことがあるが、それに近いものがあるのかもしれない。
味を引き算する感覚は日本人特有のものだと思うのだが、このジンこそまさにその感覚だ。

その性格の為、味や香りを表現するのは、非常に難しい。
「繊細」「華やか」「さわやか」、漠然とした言葉で語られることが多いこのジンだが、自分が考えに考えぬいた、このジンにうってつけの表現がある。


サファっ」としている。


・・・・、はいそうです。いたって真面目です。サファってしてるんですもん。


グラスを鼻に近づけた時に、鼻を通り抜けていく。サファっ
舌に触れる、47度の度数なのにこんなに軽いのか。サファッ
喉をながれていく、サファっ
口の中で一瞬しにて広がる。サファっ
口のなかの香りは鼻に上る。サファっ
あっという間にはじけてしまう。サファっ
ただ、そこにかすかに残る香りは、消えず、余韻は続く。サファっ、サファっ、サファっ、サファっ


いや、ふざけてないですよ。まじで


ボンサファの瓶をグラスにそそがれたボンサファごしに

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